『誤解されたくない!!』
その日の定例会議が終わり、それぞれに話しながら自分の執務室に戻るなか、当然のように炎の守護聖オスカーは敬愛してやまない神鳥の首座の守護聖ジュリアスの3歩後ろを歩きながら一緒にジュリアスの執務室へ入った。
ジュリアスは部屋に入ると立ち止まり振り返ってオスカーに話しかけた。
「オスカー、先ほどの案件だが…」
突然話かけられたオスカーは昨夜の出来事でも思い出していたのか驚いてジュリアスにぶつかりそうになるが…ジュリアス様にそんな無礼な事は出来ないと精神力だけで踏みとどまろうとしたが重力とズルズルした執務服の裾を踏んづけてしまい、ジュリアス共々転んでしまった。
見ようによってはオスカーがジュリアスを押し倒しているように見える。
大の男が2人一緒に転んだので執務室の外にまで大きな音がしたらしく、他の守護聖達がジュリアスの執務室へ集まってきた。
最初にやってきたのは神鳥一フットワークの軽いランディだった。
その軽さは何かに比例するのかは確かじゃないが…ルヴァの姿が見えない所を見るとあながち間違いではないかも知れない。
「ジュリアス様、大きな音がしましたが、何の音ですか?あっ…失礼しました。」
勢い良く扉を開けた割には部屋に入らず顔を赤くしているランディに本当は仲の良いゼフェルが話しかけて隙間から執務室を覗いて言った。
「ランディ野郎、邪魔だ…おめーら何やってんだ?」
ゼフェルが絶句してるのを不思議に思ったオスカーの好敵手リュミエールもランディとゼフェルの頭の上から覗いて眉根を寄せた。
「オスカー、あなたって人は…」
みんながジュリアスの執務室の前に集まって騒いでいるのを自分の執務室に入るのをやめて好奇心丸出しにしたオリヴィエがリュミエールの肩に手をかけて中の様子を見ると笑いを噛み殺し呆れたように言った。
「オスカー、おや?とうとう男にまで」
みんなの視線を感じたオスカーとジュリアスは冷静になってお互いの姿を見ると、置かれている立場に気づき2人は懸命に誤解を解こうと叫ぶように言った。
「これは、事故なんだ…俺がジュリアス様の執務服の裾を…」
「そ、そうなのだ…皆の者、下世話な考えはしないでくれ」
必死の弁解も必死すぎると嘘っぽく聞こえるようで、ランディに「誰にも言いませんから」と言われたが何もないものはないのだとオスカーは叫ぼうと思ったが、ここで何を言っても無理だと気付いたオスカーは後で弁解しようと口を閉じると気まずい沈黙が流れた。
その嫌な沈黙を破ったのはオリヴィエだった。
「愛のカタチは色々だから…誰にも言わないからさー、安心してよ。オスカー」
その心の広さにオスカー堪らず涙が出そうになったが…オスカーはいくらジュリアス様でもレディの方が大好きで…オリヴィエに言う。
「俺は…オリヴィエ、あんただけには誤解されたくないんだ!!」
「………」
まさかまさかのトライアングル発生?に一同呆然とオスカーとオリヴィエの顔を交互に見つめるとまた変な空気が流れた。
その空気を断ち切るべくオリヴィエが口を開く。
「だっだっ誰にも言わないからさー♪」
「お前が一番不安なんだ。またある事ない事言って俺の評判落とす気なんだろう?」
「そっそっそっそんな事する訳ないじゃん★」
「じゃあ、そのドモリはなんだ?」
「私って、いつもこうじゃない?」
「お前がドモルのなんて初めて聞いたな」
オスカーとオリヴィエのいつものやり取りが始まったようなのでクラヴィスが鼻で笑うと他の守護聖も自分の執務室へ解散。
相変わらず言い合っているオスカーとオリヴィエを一番近くで見ていたジュリアスはオスカーに言った。
「オスカー、どうでもいいが早く退いてはくれぬか?」
「はっ!申し訳ありません。ジュリアス様」
オスカーは慌てて立ち上がってジュリアスに手を差し出して立たせると一礼をしてオリヴィエを連れて廊下に出た。
廊下へ出るとオスカーは自分の額に手をやり変な汗を拭った。
そこに暢気そうに何冊かの本を抱えてルヴァが誰かの執務室へ向かう途中でオスカーとオリヴィエに気づき、これまた暢気そうに聞いてきた。
「オスカー、風邪ですか?顔色が悪いですよ」
「あっいや…」
歯切れの悪いオスカーを横目で見ながらオリヴィエはルヴァに駆け寄り言う。
「ねぇ、ルヴァお茶飲まない?いいお茶受け話があるんだけど♪」
「オリヴィエ!!」
オスカーの叫び声など気にしないと言った風に右手をヒラヒラさせてオリヴィエは自分の執務室の扉を開けた。
なんだ、これ?
誕生日っぽくなくてゴメンなさい♪
オスカー誕生日おめでとうvv
どれだけ沢山の『好き』が増えたとしても初めてはあなたでした。
あなたがいなければ、今はありません。
でも今日22になって明日21に戻るオスカーが羨ましいっていうか憎たらしいです。
来年もお祝いできますように…
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